2016/09/09

2016/8/23-29 CCC trip Day.4 - The Day ② ( Arnuva 〜 Chamonix ) -





■Arnuva → Grand Col Ferret (31.8k)
754mD+, 0mD-
Time 7:26'43 (1:26) / Rank 1186

Arnuvaのエイドを出ると、いよいよコースの核心部であるGrand Col Ferretへの登りが始まる。4.5kmで750m登るのだが、自分の中でだいぶペースが安定してきたのか、意外とサクサク登れた。
周囲は相変わらずの絶景だが、素晴らしい景色はいつまで見ていても飽きない。そんな中を歩けて本当に幸せだ。


あっという間、というほどではないが、ようやくピークと思われるポイントが見えてきた。
Grand Col FerretはたしかUTMB2011でキリアンがスパートしたポイントだったっけ。
CCCだと31km地点だが、UTMBだと101km地点である。やはりUTMBで通過する場合と捉え方は異なると思うが、テレビで見た場所に自分が立っていると思うと感慨深いものがある。



■Grand Col Ferret → La Fouly (35.4k)

198mD+, 1112mD-

Time 8:53'55 (1:27) / Rank 1159 ※La Foulyで18分休憩

Grand Col Ferretを過ぎると20kmの下り区間が始まる。
ここからはボーナスステージ!・・・という思いを完全に断ち切って、脚を消耗しないように淡々と進んだ。ここでハジけてしまうと後半の三山を越えられる気がしない。。
La Peuleを過ぎて、山陰に入ると少し涼しく感じるようになってきた。ここからは身体を冷やしすぎないように気を付けねば。。

La Foulyまであと2kmというところをテクテク歩いていると、急に肩を叩かれた。なんだなんだと振り向くと突然話し掛けられた。ジェスチャーから察するに「タラタラ歩いてないで走るぞ!ほれっ!」的なことを言っているようだ。ゼッケンの国旗を見るとイタリア人だった。せっかくのお誘いなのでOK!OK!と並走することにした。
「ごめん、俺英語喋れないんだ」と一方的に言われるが、コッチも英語喋れないよ。
それでもお互い黙々とエイドを目指して並走する。最後は多くの声援を受けて、手をがしっと繋いで(掴まれて)手高々にLa Foulyのエイドにゴール。
最後はグラッツェ!と握手してお別れした。結局彼は何者だったんだろう・・・


エイドではコース中初めて日本人(女性)に会ったので、「もうやり切った感がありますね~」と呑気に言ったら、『まだまだこれからよ!頑張りなさい!』と叱られてしまった(笑)
タイムチャートを確認すると、すでに23hペースからも乖離し始めている。Grand Col Ferretからのんびり下りすぎたかも。
気を取り直して頑張る。


■La Fouly → Champex-Lac (55.5k)

555mD+, 701mD-

Time 11:45'55 (2:34) / Rank 1156 ※Champex-Lacで1時間2分休憩

La Foulyからも引き続き走れるトレイルが続く。喝を入れられたおかげか、少しペースが上がる。
トレイルを下ったところに雰囲気の良い集落があったが、どうやらここはChampex-Lacではないようだ。

しかし、下りきってからのChampex-Lacまでの登りが地味に辛い。スタートして11時間を過ぎ、あたりも段々と暗くなってきた。
シャンペ湖をこの目で見たかった思いも少なからずあったが、それはちょっと絶望的になったのでまたの機会に。

森の中に入ると真っ暗なのに、自分を含めたパックは誰もライトを点けないチキンレースが開始され、やたらと増える動物の糞を直感で回避しつつ、結局誰も点けぬままChampex-Lacに到着した。エイド入口近くでサポーターA氏が待っていてくれたので無事合流する。

Champex-LacのエイドはCCC唯一の大エイドなので、さすがに豪華だ。食べ物も並んでいたが、まずはA氏に持たせていたレッドブルを一気飲み。
タイムチャート的には既に23hラインも余裕でオーバーしているので、心置きなく完走目指して歩けるなと開き直る。
リゾットやカップヌードルなどを平らげたりして、結局1時間も滞在してしまった。レース後にA氏に聞いてみたところ「こいつ随分のんびりしてるな~と思った」と言われたが、その場で尻を叩いてくれなかったのは優しさということですかね。

仕上げにここまで着ていた半袖Tシャツ+インナーからキャプ4+腹巻に着替え、夜の気温低下に備えた形でエイドを出発した。
A氏は結局Trient以降のエイドに現れることはなかった・・・w


■Champex-Lac → La Giete (67.2k)

833mD+, 414mD-

Time 15:37'41 (2:50) / Rank 1166

きっと美しいであろうシャンペ湖を心に映しながら、湖に沿って進んでいく。

すると、突然足裏がプチッとなり、豆が潰れた感触。やってしまった・・・
暑いからと言って川に靴ごと飛び込んでしまったから、、、水分をガブガブ摂りすぎたから、、、エイドで面倒臭がらずに靴下を替えとけば、、、プロテクトJ1を塗りなおしておけば、、、などと後悔しまくりであるが、潰れてしまったものは仕方ない。さすがに痛いが、その内アドレナリンが痛みを消してくれるはずだ。

ひたすら退屈な林道を下っていくが、ヘッドライトの光を見て歩いていると急に睡魔が襲ってきた。Champex-Lacのエイドでは全く眠くなかったのに。
エイドを過ぎて集中力が低下してきたのかもしれない。
「眠気?全然ないよ、余裕余裕」と言って出発した10分前の自分は何だったのだろうか。

夜間のトレイルは海外にいることをついつい忘れてしまう感覚になる。やたら動物の糞が落ちているのと、松ぼっくりが妙に細長いこと以外はハセツネのコースと変わらない。
ここ奥多摩だったっけ?などと寝ぼけながら前を進むランナーの光を目指してひたすら歩いた。

段々と川のせせらぎが聞こえるようになり、何度かの渡渉を経て、ようやくLa Gieteへ向けての800mD+の登りに取り付く。
上を見上げると果てしなく続くヘッドライトの列に心底うんざりする。
そして、自分がその"上"のポイントに辿り着いたと思ったら、山を巻くようにしてさらに前方に果てしなくライトの列が続く。
さらに、暗闇の中から謎の鐘の音が聞こえてきて(※牛です)、まるで悪夢のようだ。正直このあたりの記憶はあんまりない。(抹消した)


■La Giete → Trient (72.1k)

76mD+, 657mD-

Time 16:39'56 (1:02) / Rank 1143 ※Trientで36分休憩

La Gieteのチェックポイントを通過すると、ここからはTrientまでの下り。
ここでヘッドライトの光量が急速に低下。今回ヘッドライトをBDのSpotに新調したのだが、やはり単4×3では限界なのか。。。
Max光量で3時間頑張ってくれたが、最も大事なところで寂しい光の中で走ることになった(笑)
次のエイドで予備電池に入れ替えて、今度は光量弱めで行こうと誓ったダウンヒル。放つ光は寂しい一方で、脚は快調だったので珍しく順位を上げながらTrient入り。

エイドに着いたものの、やはり眠気が限界。30分くらいエイドで寝よう・・・と思ったが、テーブルに突っ伏して寝ようとすると、「Are you allright!?」と声が掛かり寝かせてくれない(笑)
結局時間だけ浪費し、ロクに補給もせずにTrientを出発。。。


■Trient → Catogne (77.3k)

826mD+, 95mD-

Time 19:06'19 (1:51) / Rank 1152

Trientを出発したものの、どうにも眠気が収まらず、腰を下ろせそうな岩を見つけて目をしばらく閉じたりしながら少しずつ登っていく。こういう時は音楽とか聴くと目が覚めてよさそうだ、と周りのランナーを眺めながら思った。

気が付くとスタートから17時間を経過し、自己最長のレースタイムを突破。ここからは未知の領域だ。
Catogneに向けても800mの登りだが、プッシュしているわけではないので、そこまで辛い区間ではなかった。ピークが近付くと冷たい風を感じるのでそこからはノンストップで進む。

ビックリしたのが、上半身裸で登っているランナーを追い抜いたこと。まったくどんな皮膚をしてるんだ。。。


■Catogne → Vallorcine (82.6k)

33mD+, 797mD-

Time 20:24'08 (1:18) / Rank 1161 ※Vallorcineで17分休憩

下りに入ると、なんだか渋滞気味。
夜間のダウンヒルは皆慎重すぎるくらいにゆっくりである。特に急勾配となると、オイオイ!ってくらいに遅い(笑)
が、自分は集団の一員として歩くことにした。
特に急ぐ理由もないし。あと、予備電池に取り替えたヘッドライトがまたしても寂しい光を放ち始めたため、そんなに無理することないな・・・と思ったのも一理あった。

Vallorcineのエイドに到着するも、身体がやや冷えてしまい、食べたい気分ではなかったのでスープだけ飲んで、長居せず出発。


■Vallorcine → La Tete aux vents (90.3k)

857mD+, 0mD-

Time 23:01'26 (2:20) / Rank 1075

エイドを出ると、空が白み始めていた。もうすぐ夜が明ける。
明るくなってくると不思議と力が湧いてくるもので、残り800mD+の一山を越えるだけ、という気持ちも後押ししてMAXSPEEDで歩いた。(走ってない)

Col des Montetsに到着すると、「え、これ登るの?」という壁みたいな山がお出迎えしてくれる。とはいえ、ラスト一山である。ここまで温存してきた脚力をここで使わずしてどうする、とばかりにサクサクと軽快に登る。

タイムは既に全く気にしていないので、精神的にもめちゃくちゃリラックスしている。もうここからは景色を楽しみながら進もうと思い、断固として走らなかった(笑)
赤みを帯びてきた山々をのんびり眺めたりしつつ、La tete aux ventsを通過する。あとはChamonixへ向けて(ほとんど)下るだけだ。


■La Tete aux vents → La Flegere (93.2k)

10mD+, 274mD-

Time 23:54'39 (0:53) / Rank 1068

La Flegereまでの稜線は、明るい時間帯に通ることができて本当に良かったと思える景色が広がっていた。 見える景色、見える景色が本当に美しいので、夜間通過したChampex-LacからVallorcineまでのトレイルを是非この目で見たいと思った。(OCC走れば見れるな・・・ゴクリ)

 そして、La Flegereに到着し、最後のゼッケンチェックを受ける。Chamonixで待っているであろうサポーターA氏および姉夫婦にも「今フレジェール通過したけど、おにぎり食べてからゆっくり下りるよ」とLINEを入れておいた。 もうすぐこの旅が終わってしまうと思うと少し寂しい。。。

■La Flegere → Chamonix (101.1k)

99mD+, 928mD-

Finish Time 25:30'54 (1:36) / Rank 1100

La Flegereからは一気に高度を下げていくため、すぐに樹林帯に入ってしまう。森林限界からの素晴らしい景色もいよいよ見納め。
制限時間にも余裕があるし、正午に近付けば近付くほどゴール前は観客が増えてくるだろうという邪な考えもあり、急ぐ理由が全く見つけられないので、ここからは本当にハイキング気分だ(笑)

レース前日に散歩に来たフローリア小屋ではオシャレな老婆に「スゴイ~」と言われたり、駆け上がってくるランナー達にも拍手されたりしながら、トレイル区間が終わり遂にChamonixの街に戻ってきた。
(我々が滞在する)ホテルの前ではA氏と姉夫婦が待っていてくれた。

開口一番、「いやー長かったわー!」

後は花道を満喫してきてくれ、それじゃゴールで待ってるねと姉夫婦はショートカットしてゴールへ向かっていった。
自分はというと、一旦ホテルに寄り道してトイレタイム(笑)
スッキリしたところで、再びコースに復帰してゴールに向かって歩き出した。

ここからゴールまでの道のりは人生で一番テンションが上がった瞬間だったかもしれない。
ハイタッチしたり、写真撮られたり(こんな日本人の写真とか需要あるのか?)、本当に多くの方から「Blavo!Blavo!」と祝福してもらった。ついついガッツポーズが出てしまう。
シャモニーの街全体が祝福してくれているような、そんな雰囲気だった。

そんな中を走って素通りするとか勿体なさすぎるので、一人一人に顔を合わせてメルシーメルシーアリガトー言いながらゴールまで歩いて凱旋した。
そして、いよいよ夢にまで見たゴールゲートへ。

25時間30分。
振り返れば長い道のりだったけど、本当に刺激的で素晴らしいコースであった。
全体的にもうちょっと頑張れたと思うけど、まぁこんなもんでしょ!笑



Day.6へ続く