2015/09/27

[Race] 2015/9/22 Shinetsu Five Mountains Trail 110km





2年ぶり2度目の信越五岳。
前回(2013年)は台風の影響で8A打切に遭い、"特別完走"という形で幕が下りてしまったが、 やはりモヤモヤ感は残るもので、どうしてもリベンジしたいレースであった。

今回の挑戦においては、完走は勿論のこと、できるだけタイムを狙った走りをすることを念頭に置いた。また、今回は信越五岳のルールを最大限活かして、アシスタントとペーサーを付けることにしたので、当日バタバタしないように綿密な補給計画と走行計画を練った。

こんな感じ。


◆結果

16時間49分



■START~2A(23.9k)

<経過タイム>
1A in) 1h50m → out) 1h50m
2A in) 2h41m

スタート前は少し肌寒かったが、降水確率は0%。天気に恵まれる一日になるようだ。
晴れすぎても嫌だなぁ、と思いながらスタート時間を迎える。

◇2Aまでの装備
<ウェア>
Arc'teryx ActiniumS/L
Finetrack フラッドラッシュスキンメッシュS/L
山と道 5-pocket shorts
HungerKnock Cap
Finetrack アクティブスキンアームスリーブ
Buff

<足元>
inov8 Trailroc245
Drymax
ニューハレXテープ

<ボトル>
SimpleHydration (麦茶)

 <エネルギー>
MAGMA×2
HoneyStinger(アサイー)×2
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万全の準備をしたつもりであったが、早速心拍ベルトが電池切れで作動しないという予期せぬトラブルに見舞われ、"感覚"でペース管理する羽目になった。
まぁそんなのは些細なことだ。心拍ベルトを外してスタートを切った。

前回は林道の登りに差しかかったら歩くようにしていたが、今回はタイムも狙っているので1Aまでほぼ走りきった。
1Aまでの道中で蜂に刺された人を何人か見かけた。自分の腕にも怪しげな羽音を鳴らす物体が体当たりしてきたが、ダッシュして逃げたらなんとか大丈夫だった。
前日の説明会で"今年は涼しいので蜂が少ないようです"と言っていたが、まぁ居るよね・・・(笑)

1Aに快調に到着した勢いでそのままエイドをスルーして斑尾山に取り付いたのだが、水分補給の際にボトルの蓋がバコッと外れた勢いでボトルを落としてしまい、麦茶が無くなってしまったので急いでエイドに引き返して水を補充。事件発生がエイドから近かったのでロスタイムは30秒くらいで済んだので、これも些細なことだ(笑)

斑尾山をサクッと登って、ゲレンデの下りを慎重に下る。たしかこの時だったと思う。

"痛いっ・・・"

1週間前に痛めた左足の甲の痛みが再発。1週間安静にしていたが、やっぱりダメだったか。
残り90km行けんのか?と不安になりながら2Aに到着。予定より早い到着でちょっとオーバーペースかもしれない。早くも腿に張りも出始めており、雲行きが怪しすぎる・・・。




■2A~5A(66.6k)

<経過タイム>
2A out) 2h43m
3A in) 4h40m → out) 4h44m
4A in) 6h38m → out) 6h43m
5A in) 9h05m

2Aで予定通りアシスタントが待っていてくれて、ザックを受け取る。

◇2Aで補給
ベスパプロ

◇2Aで追加した装備
<ザック>
UltimateDirection AK RaceVest

<ボトル>
OMM UltraBottle(麦茶500ml)

<エネルギー>
HoneyStinger(アサイー)×3
スポーツようかん×2
Mag-on(ウメ)×1
ムサシNi×1
塩熱サプリ×6
ベスパハイパー×1

<その他>
Petzl e-lite
ポイズンリムーバー
mont-bell サンスクリーン
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2Aを出ると、前に2013年の富士登山競走覇者のリア・ダーティさんが走っていたので(ほんのひとときですが)後をチェイス(笑)
走りが軽くてめっちゃカッコイイ。登りもヒョイヒョイと駆け上って行ってしまったので、そこからはマイペースに。
足の痛みが気になってきてしまったので、ペースを落として様子見。歩く分には痛みは無く、走ると痛む。
序盤にして結構苦しい展開ではあるが、もしかしたら道中痛みを感じ無くなる時が来るかもしれないし、行けるところまで行くしかない。ましてや自分一人で走っているわけではなく、アシスタントもペーサーも待っていてくれている中で不甲斐ない走りは見せられないだろ、という感じで袴岳から3Aへ続く長い長い林道の下りで必死にもがきながら設定ペースを維持するべく走ったが、長くは続かず、結局歩いてしまった。
今回のレースの中で最もメンタルが落ちた区間だったと思う。

3Aでトマトを冷やしていた水を頭から被り、気合を入れて暑すぎる関川を走る。"今年は涼しいんだよね!?"と何度も言い聞かせながら、キャップのツバをぐるぐる回しながら、点在する木陰を求めて走った。

その後のトレイルは意外と走れて、順調に4Aへ到着。
4Aでアシスタントから冷えたレッドブルと豆乳を貰い、一気飲み。

◇4Aで補給
RedBull
豆乳 
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足の痛みは消えてないけど、悪化はしていないから5Aまでは絶対行くから待ってて、と告げて4Aを出発する。

黒姫高原を登ってからの林道も暑かったが、ここが大事だぞと言い聞かせて結構走った。この区間では誰にも抜かれなかったので、まぁ頑張った方だと思う。
想定外だったのが日陰がほとんどない笹ヶ峰牧場。憎たらしいくらいのどかな景色が広がっている。暑すぎて途中水も尽きてしまいうんざりしてしまったが何とか5Aへ辿り着く。
うんざり中。



■5A~8A(92.3k)

<経過タイム>
5A out) 9h22m
6A in) 11h32m → out) 11h35m
7A in) 12h25m → out) 12h26m
8A in) 13h20m 

5Aまでは早々に足の痛みと闘う羽目になってしまったが、なんだかんだ設定ペースで走れており、SUB 16が見える位置で5Aに到着した。


◇5Aで補給
プロテインバー
アミノバリュー
アミノバイタルプロ

◇5Aからの装備
<ウェア>
Arc'teryx Motus
Finetrack フラッドラッシュスキンメッシュSS
Arc'teryx PhaseSL Headband
Buff
Patagonia Cap4(※ペーサー持ち)
Patagonia フーディニJKT(※ペーサー持ち)

<足元>
Altra LonePeak

<ボトル>
Salomon Softfrask500ml(麦茶)(※ペーサー持ち)
Salomon Softfrask500ml(ムサシ)(※ペーサー持ち)

<エネルギー>
HoneyStinger(アサイー)×3
Mag-on(ウメ)×2
ムサシNi×1
ベスパハイパー×2

<その他>
SILVA Trailrunner2 
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5Aからはペーサーに全部持ってもらい、完全に手ぶらで出動(笑)
そして、シューズも予備で持ってきていたローンピークに履き替えた。トレイルロックに比べてクッション性が段違いで足の痛みの幾らか和らぎ、ローンピークが影のMVP。

ペーサーと5Aまでの体験をペラペラ話しながら、快調に夢見平を進む。ここは本当に気持ち良い区間である。ここまでの苦労が嘘のようにテンポよく前のランナーを拾っていく。

黒姫への登りもサクッとクリアして6Aへ。2年前はここで既に日没になってしまったので、非常にキツかった記憶があるが、こんなにも印象が変わるものなのかとビックリ。裏を返すと、日が暮れる前に進めるところまで進んだ方が確実に有利ということだろう。ちょっと格差社会の縮図を感じたのであった・・・(笑)

そんな感じで順調に走り、エイドでの滞在時間も最小限に抑えて進んだ結果、ギリギリ日没前に7Aに到着。明るい内に鏡池に到着するという裏目標をクリア。(せっかくここまで来たなら鏡池を見なきゃダメだ!と思い、最後ちょっとプッシュしたのは内緒・・・)

日が暮れてから気温も一気に冷えてくる。その頃からちょっと胃の調子がおかしくなり、下りを走ると胃が痛む。お腹が冷えちゃったかな?と思い、8A手前でキャプ4とフーディニを着て身体を温めながらエイドへ向かった。



■8A~FINISH(110k)

<経過タイム>
8A out)  13h35m
Finish 16h49m

8Aに着いて、とりあえず楽しみにしていた蕎麦を食べるも、あんまりおいしく感じない。。。そして休んでいる内にどんどん寒気を感じてきて、ストーブの前で震えてしまった。胃を冷やしたくないと思い、コーラもクエン酸も補給するのをやめて、コンソメスープを2杯おかわりした。

この後はラスボスの瑪瑙山が残っているので、ローンピークと合わせて出番がないと思っていた"ツルギライト"を羽織り、ストーブの前から離れたくない自分に鞭打って、意を決して8Aを出発。瑪瑙山をやっつけたらお仕舞いだから・・・とひたすら自分に言い聞かせながら。
ここまで来たら行くしかない。

◇8Aからの追加装備
<ウェア>
TetonBros TsurugiLiteJacket
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瑪瑙山に取り付き、淡々と標高を稼いでいく。登りについては身体もあったまるので、特に苦にせずあっという間に山頂に到着した。
ラスボスをクリアし、あとはちょっとした登り返しと林道を残すのみ。そして、タイムという自分との闘いを残すのみとなった。

"みんなキツイんだぞ!!"
"足の痛みはアドレナリンで消せ!!"

と段々と当たりの厳しさを増すペーサーに叱咤激励されながら、トレイルを下っていく。相変わらず痛む胃や足と格闘しつつ、最後のウォーターエイドを経由し、ラスト7.2kmの林道へ。

ここまできたら絶対に歩かないと心に決めて、ペーサーにもそれを伝える。

"登ってない!!登ってない!!気のせいだから!!"

自分一人だったら絶対歩いてしまっていたであろうところもペーサーが居てくれるだけで頑張ることができる。メンタル的な支えとしてペーサーの存在は絶大である。そして、自分に足りない部分を洗い出してくれる存在でもあった。

そして、残り1kmを切り、いよいよゴールの明かりが見えてきた。
"絶対後悔すんなよ!!"と尻を叩かれるようにラストスパート。
最後のゲレンデの下りは全力疾走で旅の余韻を感じる暇をペーサーに与えられないままゴールテープを駆け抜け、16時間49分の110kmの旅は幕を下ろしたのでした。。。笑

二年越しのゴールテープ。